大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和27年(あ)1485号 決定 1953年6月30日

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人小池金市の上告趣意(後記)第一について。

所論は、原判決に刑法の解釈並びに適用を誤った違法があることを主張するものであって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない(騙取した米穀通帳を配給所へ提出して係員を欺罔して米穀を騙取することは更に他の新法益を侵害する所為で、ここに亦犯罪の成立を認むべきものであることは、昭和二二年(れ)一〇五号同二三年四月七日大法廷判決のすでに判示するところである。そして、原審の是認した第一審判決が、所論の各所為を併合罪の関係にあるものと判断したことに違法はない)。

論旨第二について。

所論は量刑不当の主張であって刑訴四〇五条の上告理由に当らない。そして、本件には刑訴四一一条を適用すべき事由も認められない。

よって、刑訴四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 井上 登 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例